詩の日めくり 二〇一七年十二月一日─三十一日/田中宏輔
」
ナボコフの『青白い炎』の詩のパートのページにはさまっていた。
気がつかなかったメモ2枚から
2011年2月17日
精神がつくったものは、精神が簡単に壊せるとワイルドは語っていたが
精神がつくったものは、けっして壊せないものなのだ。なかったものと
することなどできないのだ。たとえ、忘却という無意識レベルの相のもの
に移行したとしても、そのつくられたものの影響は必ず残っており、なに
かがきっかけとなってふたたび精神の目の前に姿をあらすことがあるのだ。
隠れているのではない。精神の目が見ていないだけなのだ。精神の目が
自ら目隠しをしているのだ。
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