詩の日めくり 二〇一七年十二月一日─三十一日/田中宏輔
新しい耳をもつことと同様に、新しい目をもつことはとても難しいし、
とても貴重な体験だ。その体験を得るために、できるかぎりのことを
しなければならない。「ねばならない」というのは、ぼくがいちばん
嫌いな言葉だけれど。
そして新しい声をもつこと。
詩人の役目って、そのどれもだな、きっと。
新しい耳をもち、新しい目をもち、あたらしい声をもつこと。
言葉自体が聞かせてくれる新しい声、
言葉自体が見せてくれる新しい顔、
言葉自体が語ってくれる新しい言葉のように。
二〇一七年十二月十五日 「途中で読むのをやめた本に挟まっていた日付のあるメモ2つ」
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