マッツンの十五の夜/板谷みきょう
 
って言った瞬間
オヤジの拳が飛んできて
バックリ殴られ
ボクは
そのまま俯き涙目と震える声で
「すいません。」
としか言えなくなった

カブで後から走って来た連中は
その有様を見て
そのまま走り去って行った

「オメ、イタヤんとこのバチッコだなっ!」

「すいません。」

「畑、メチャクチャにしやがって
これ、どーすんのよ!」

「すいません。」

「もう、どーにもならん!
オメらもこったらことばりすんだら
ろくたモンにならんべや!」

「すいません。」

その時、僕はもう
すっかりと泣いていたのだ

「もういいっ!さっさとけぇれ。バカタ
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