マッツンの十五の夜/板谷みきょう
家から持って来てたから
必ず一番に乗る事が出来た
順番待ちでトリが次に
ヤマロクのバイクに乗って行った
「イッタは、押しがけムリだべや。」と
いつも言われて
誰も変わってくれず
待ちぼうけの状態だったけど
それでも
夜中の集まりには必ず行ったのは
ドキドキする位に
ワクワクが止まらなかったからだ
トリが暫くして畑に捨ててあった
カブ一台を見付けて
夜中に鉄工所に持って来たけど
オンボロ過ぎて直らなかった
マッツンが
「こっちの方がレッグシールド
いいから交換しとくわ。」
ボクも一生懸命
捨ててあるバイクを探したけど
見つけられず
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