二十一歳の呟き/板谷みきょう
 
光太郎の愛は
アガペだったのでしょうか
エロスだったのでしょうか
何故か気になっているのです


きっと愛とは実像を認めた上で
永続的に与え続ける事なのでしょうね
そして恋とは
実像から理想的虚像を築き
実像を否定した上で
求め続ける事なのでしょうね


警戒色と保護色を比較すると
保護色の方が謙虚な様で
好感が持てる事実


朝遠く山々が白み冬を告げ始めた
なのに
夜中に突然降ってきた粉雪
これぢゃあ雪虫の出る幕が無いぢゃないか


クリスマスキャロルのないイブの夜は独人
何の望みがありましょう
ただ今日という日が終わる事に
立ち会える身が
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