二十一歳の呟き/板谷みきょう
 
打たれて鯉幟が
風に流れる事も出来ず
竿に寄り添っている


きっといつかは
思い出してくれると
信じるしか仕様が無いぢゃないか


昨日を思い出すたびに
明日が来るのが恐かった
明日を恐がり過ぎるため
今日一日を置き去りにした


虚飾で身を包み嘘しか言わなくなってた僕が
少しづつ虚飾を捨て
本来の姿を現し始めている
落ち着いてる生活とは見せかけだけの
虚ろな生活とでも言うべきでしょうね
本来の姿と呼ぶ己れの姿も
やっぱり虚飾でしかなく
それはまるで
メビウスの帯とでも表現するしかない
いつまで経っても最終のない空回り
残るのは空しさだけ

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