二十歳の呟き/板谷みきょう
 
先から血の雫が
ぽたり ぽたり
脂肪の塊が清純な青空に貼りつき
肉欲を晒けだす


暑い盛り真っ黒い顔からこぼれる白い歯は
綺麗につくった若さです
涙は頬を伝って流れるだけぢゃなく
鼻水となって唇にかかってくるのです
負けず嫌いの太陽は
昼の間は かっ〓 と照りつけているけど
きっと西の空に沈んだ後は
布団の中で声を殺して泣くのでしょうね


暑さの為に
中途半端に伸びた髪に静電気が起き
脳ミソがあめてしまっている


雨に打たれてコスモスの花びらが
枯れてもいないのに地面に落ちた


窓硝子でわんわん云ってる蝿をつぶした


俺の様な人間は
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