二十歳の呟き/板谷みきょう
 
苦悩が叫ぶ
声にならない声
その中で誰にも知られぬままに
静かに我が心臓は血液を送り続けるであろう
お前の体内へ


死後の謹み忘るるべからず
綿の優しさ口に含みて


年を取る事は悲しいことだね
風に流されていった僕の影を皆が踏みつけている


この世で産まれて初めてした呼吸は
呼気だったのだろうか
吸気だったのだろうか
その時に
無限に広がりを見せた未来すら
いつでも過去に出来るんだよね
この世から死んで逝く最期にする呼吸は
呼気なのだろうか
吸気なのだろうか
今はそれが気になる


身を切られる様な切なさの中で
窓から外を眺めると軒先か
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