二十歳の呟き/板谷みきょう
 

偽善と知っててやる善をお天道様あわれむ


裸足の素足 踵のとれたハイヒール


匹夫の勇を心に決める
尾生の信を心に決める
この空しさはなんだろう


恋をするならお月さん
イキなおしゃべりも必要でしょうね


精神病棟
涙流さずしての悲しみは四角い部屋の片隅
物を正しくみようとしても集団に負かされて


風に吹かれて皆の首が流されていく
ふきだまりには幾つかの首が笑っている
僕たち皆風の中


背中を抜けた氷のつるぎ
仲良しこよしは誰のため


毛虫から蝶になる
そんな事を信じてたんだ
でも
二十回目の誕生日いつまでも毛虫のまん
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