詩の日めくり 二〇一七年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
し身に●きらめき光る●やは肌の●母●

●裂かれゐる●君が描く●うつくしき春●


剽窃先は

与謝野晶子ちゃんの

やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君

はてもなく菜の花つづく宵月夜母がうまれし国美くしき

斎藤茂吉ちゃんの

はるばると母は戦を思ひたまふ桑の木の実の熟める畑に

ゴオガンの自画像みればみちのくに山蚕殺ししその日おもほゆ

若山牧水ちゃんの

みづからのいのちともなきあだし身に夏の青き葉きらめき光る

正岡子規ちゃんの

うつくしき春の夕や人ちらほら

水原秋桜子ちゃんの


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