詩の日めくり 二〇一七年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
なかにあるのでもないし
臆病さや、やさしさのなかにあるのでもないような気がする。
全体なんだけれど、あるとき、または、別のあるとき
あるとき、あるときの表情やしぐさや言葉が
ダブル・ヴィジョンのように
幾重にも重なって、ある雰囲気をつくるんだね。
でも、ときたま、その雰囲気をぶち壊されるときがあって
そんなときには、ほんとうにびっくりさせられる。
ことに、恋からさめた瞬間の恋人の表情とか言葉や行動に。
友人にも驚かされることがあるけれど
恋人ほどではないね。


二〇一七年十一月二十八日 「●ゴオガンの」


●ゴオガンの●菜の花つづく●あだし身
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