詩の日めくり 二〇一七年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
間は人間からできている。」


吉田くんは、山本くんと佐藤さんと村上くんとからできている。
山本くんは脳なしだけど、佐藤さんはすこぶる腹黒い女で
村上くんは、インポテンツで、底なしの間抜けである。
吉田くんのモデルは、ぼくの高校時代のクラスメートである。
柔軟体操の途中で、首の骨がボキッってなったけれど
なんともなかったのは不思議だ。
人名を変えるぐらいの名言に出合う。
吉田くんのモデルには、予備校に勤めていたときの生徒の
吉田くんのイメージも付加されている。
人間の魅力は、どこにあるのだろう。
かしこさにあるのでもないし
ましてや、おろかさのなか
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