詩の日めくり 二〇一七年十一月一日─三十一日/田中宏輔
 
いの子供たちが自分たちの親といっしょに
車に乗り付けてくる。
いま祇園の実家は、もうないのだけれど
それから日が変わるのかどうかわからないが
雨の夜、その子供たちが黒装束で家の裏をうろうろする。
ぼくは気持ち悪くなって
下の弟と黄色い太いビニールの縄を家の裏に
太い鉄のパイプのようなピケのようなものの間に張り渡す。
これで、子供たちが入ってこられないやと思って雨のなか
子供たちのいた方向に目をやると
黒いコートを着た死んだ女が立っていた。
彼女がなぜ死んだ女なのかはわからないけれど
死んでいることはわかった。
弟とすぐに家に戻った。
するとぼく
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