詩の日めくり 二〇一七年十一月一日─三十一日/田中宏輔
ヴォネガット、むかしは好きじゃない作家だった。
20代で読んだときには、こころ動かされなかった。
https://www.youtube.com/watch?v=OHu6-GsfWyM
この曲が、きょう耳にしたたくさんの音楽のなかで
いちばん、こころにしみた。
ぼくがこれまで読んだことのある詩や小説の傑作中の傑作のなかの
どんなにすごい描写でも、この曲のなかにある
わずか数秒の声に勝るものがないのは、なんでやろうか。
生の真実がどこにあるのか、わからないまま死んでしまうような気がするけれど
それに、そもそも、生に真実があるのかどうかもわからないのだけ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(13)