だいぶダイブ / ある女の子篇/末下りょう
てたバンドのライブにいった。
開演時間を大幅に過ぎた、アルコールや血や汗が染み付いた、ブーツやヒールで傷だらけの木目のフロアが暗くなると、BGMが止み、モヒカンやスキンのメンバーが狭いステージに現れて、しゃがんだり壁にもたれたりしてたキッズたちが息を吹き返したゾンビみたく最前列に押し寄せて、メンバーのファーストネームを叫んだりメロイックサインかざして意味不明な歓声を浴びせた。
セットされた楽器から発せられる音が断片的に響き、エッジが高められ、テンションが引き上げられる。
鼓動が破裂しそうになる。
そんで、みんな ライブする
絶対が発動する音を聴いた。
必然の自由を聴いた
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