詩の日めくり 二〇一七年十月一日─三十一日/田中宏輔
詩「岬の方位」に、「岬まで行ってしまえば/岬は見えなくなるでしょうから」という詩句があって、いつも海東セラさんの詩句には、はっとさせられることがあるなあと思った。同人の瀬崎 祐さんの「唐橋まで」も佳作だ。また、海東セラさんからは、詩誌『グッフォー』第68号も送っていただいた。海東セラさんの「ステンレス島」の冒頭、「棄てる部位と棄てられない部位はあわせてひとつのものだが、手を離れたとたんに別のものになる。」という詩句に目がとまった。そのあと具体的な例があげられ納得する。現実に支えられた詩句は、ぼくの好みのもので、海東セラさんの詩は、彼女のエッセーとともに、ぼくの読書の楽しみのひとつとなっている。
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