詩の日めくり 二〇一七年十月一日─三十一日/田中宏輔
詩篇の威力を減じているといった作品も多い。そういう意味でなら、たしかに、「減喩」と言えるかもしれない。とても、もったいない感じがする。原因はなんだろう。韻文。短詩型文学。俳句や短歌の影響かな。そんな気が、ふとした。ぼくは、あくまでも、俳句や短歌を現代詩とは切り離して考えるタイプの実作者である。
二〇一七年十月十九日 「谷内修三さん」
谷内修三さんから、『誤読』を送っていただいた。これは、ひとりの詩人の詩に対する覚書の形をとったもので、谷内さんが毎日のようになさっている作業と同じものだ。詩句に対する手つきも同じ。読みどころはなかった。新しい方向から見て書かれたところはなかった。
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