詩の日めくり 二〇一七年十月一日─三十一日/田中宏輔
かった。冒頭の長篇詩、「母」と「娘」の物語詩、興味深く読まされた。終わりの方に収録されてる詩篇の「死にたいから生きているんです」という詩句を目にできてよかった。また、「わたしについて」という詩篇には、「東京の真ん中に、必要とされていないわたしが落ちていた。」という詩句があって、いまぼくの頭を悩ませていることが、大きくズシンと胸のなかに吊り下がったような気がした。全体にナイーブなすてきな感じだ。出合えてよかったと思う。魅力的な詩集だった。
二〇一七年十月十七日 「睡眠。」
これから数時間、ぼくはこの世のなかから姿を消す。数時間後にまたふたたび、この世のなかに姿を現わす。しかし、
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