詩の日めくり 二〇一七年九月一日─三十一日/田中宏輔
のう、ぶよぶよした白いものが
おじいちゃんを着るところを見てしまった。
博物館にいるミイラみたいだったおじいちゃんが
とつぜん、いつものおじいちゃんになってた。
おじいちゃんと目が合った。
どれぐらいのあいだ見つめ合ってたのか
わからないけれど
おじいちゃんは
杖を着たぼくを手に握ると
部屋を出た。
二〇一七年九月十三日 「ひまわり。」
ひまわりの花がいたよ。
ブンブン、ブンブン
飛び回っていたよ。
黄色い、黄色い
ひまわりの花がいたよ。
お部屋のなかで
ブンブン、ブンブン
飛び回っていたよ。
たくさん、たくさ
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