カゲロウたちは永遠の詩編の中で/ホロウ・シカエルボク
 
にあなたを打ちたかったのです

夜に乗じてやって来るかたちのないものたち、私の頬を撫でて、思い出せと、許すなと―息の根を止めろと、そんな感情を、脳髄に溶かし込もうと枕を揺らし、私は顔を隠し、どんな心も見とがめられぬようにきつく目を閉じて、それらいっさいをやり過ごそうと必死になるのです、しかし彼らはなかなかに強情で、時には寝入りばなにやって来て、明け方近くまでそうしていることもあるので、私はあまりにしつこい時には枕の下に隠している縫い針を彼らに突き刺して遊ぶのです、すると彼らは悲鳴を上げて逃げていきます、その夜はもう戻ってくることはないのでのんびりと眠ることが出来ます、戦うことなく怒りだけをまく
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