カゲロウたちは永遠の詩編の中で/ホロウ・シカエルボク
シンフォニー
指先の傷はいつの間にか、美しい痣に変わっていましたね
賛美歌をうたうように、信者たちは
涼やかな表情で、殺戮を繰り返す、崇める心はまるで
免罪符
ころして、ころさないで、ころしたくて、ころすことに
結末を急げばどこかに向けて銃口が持ち上がる
ほんの少し、指先に力を入れるだけでよかったから
みんな革命なんてことを考えるのでしょう
雨のあとの、汚れ、駆け足の水の流れを見つめながら
私は人としての穢れを、すべてその流れに任せてしまいたくて
また大時計ががちりと時間を進めるのです
温かいうちにだけ血は流れ
冷たい床を菓子職人の細工のように染めるでしょう
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