隠喩と論理形式/葉leaf
ば花の足の速さについて言及することはできないから、「あの花は足が速い」という記述は花の意味カテゴリーにそぐわないことになる。
隠喩のM1とM2のタイプにおいては、語同士のつながりはそれぞれの語の意味カテゴリーに即している。だが、M3においては、語の意味カテゴリーが破られる。夜は比喩ででもない限り論理的に食べられるものではないからだ。そして、語の意味カテゴリーを破るこのM3のタイプの隠喩こそが、もっとも読者に新鮮な驚きを与え、詩情を喚起するのである。
ここまでの議論を少しまとめておこう。隠喩は三つに分類されるが、そのどれもがシンタグム関係を保っている。(このことは、語と語の結びつきが品詞カテ
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