隠喩と論理形式/葉leaf
ものである。とりあえずそれは、対象が持つ、その対象について言及可能なカテゴリーである、と言っておこう。どういうことかというと、たとえば我々は花について、その色やにおい、種類について言及することができるが、足の速さや、躁鬱気質であるかどうかについては言及することができないだろう(比喩において言及されることは除く)。その場合、色やにおい、種類などが、花の論理形式だということができ、一方で足の速さや気質は花の論理形式ではないといえる。
論理形式は対象についてだけ定義されるのではなく、名(単語)についても定義される。野矢茂樹はその著書「『論理哲学論考』を読む」のなかで、名の論理形式を「品詞カテゴリー」
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