隠喩と論理形式/葉leaf
 
これらのどのケースにおいても、語と語の間のシンタグム関係(文法に沿った語と語のつながり)が成立している。だから、たとえば「夢ところで食べよう肉が」のようなナンセンスな記述は隠喩として成立しない。そもそも、それは日本語のパロル(文法に沿って生成された具体的な言述)ですらない。隠喩は詩において美を志向するものだから、美しくないナンセンスな記述が隠喩として機能することはありえないし、そもそも意味を持たないのだから喩えることすらできないからだ。だから、シンタグム関係が成立しているか否かで隠喩を分類することはできない。
 そこで登場するのが論理形式という概念だ。この概念はヴィトゲンシュタインに由来するもの
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