詩の日めくり 二〇一七年八月一日─三十一日/田中宏輔
引用もと、「風の谷のナウシカ」
二〇一七年八月二十七日 「カラオケでは、だれが、いちばん誇らしいのか?」
あたしが歌おうと思ってたら
つぎの順番だった同僚がマイクをもって歌い出したの。
なぜかしら?
あたしの手元にマイクはあったし
あたしがリクエストした曲だったし
なんと言っても
順番は、あたしだったのに。
なぜかしら?
機嫌よさげに歌ってる同僚の足もとを見ると
ヒールを脱いでたから
こっそりビールを流し入れてやったわ。
「これで、きょうのカラオケは終わりね。」
なぜかしら?
アララットの頂では
縄で縛りあげられた箱舟
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