詩の日めくり 二〇一七年八月一日─三十一日/田中宏輔
箱舟が
その長い首を糸杉の枝にぶら下げて
「会計は?」
あたしじゃないわよ。
海景はすばらしく
同僚のヒールも死海に溺れて
不愉快そうな顔を、あたしに向けて
「あたしじゃないわよ。」
みんなの視線が痛かった。
「なぜかしら?」
ゆっくり話し合うべきだったのかしら?
「だれかが、あたしを読んでいる。」
二〇一七年八月二十八日 「ぼくのサイズがない」
ひさしぶりに、西院のブレッズプラスで、チーズハムサンドのランチセットを食べに行こう。きのうは夏バテで、なにも食べていない。きょうも、夏バテ気味で、もしかしたら、食べ残すかもしれないけれど。
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