あぶれもの/ホロウ・シカエルボク
 
し続けた、それでも時々は周辺にばらまかれた紙片にどれほどの意味があるのだろうかという考えにとらわれることがあった、けれどそれが不安や、失望や絶望の種にならぬほどには時を重ねていたし、それがどんなものであれただただ全うするだけだという覚悟はとうに決めていた、血を騒がせる以外のものは真実ではない、それが唯一の確信と言えば確信だった、あぶれものは生命に新たな色を付け続けた、あぶれものは同じ言葉でも違うように話すことが出来た、すべてのものには表裏一体の意味があるのだと知っていた、同時に、知っていることを信じないようにした、たったひとつの生命の端くれが知っていると自惚れた時点で、それは嘘になると信じていた、
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