あぶれもの/ホロウ・シカエルボク
た、あくまでそれは、身をかすめていく風の感触のように感じていなければならないことだった、あるひとつの流れが一段落したとき、あぶれものは燃えるように暮れていく空を眺め、自分が最期に綴るものはどんな色をしているだろう、と、ふと考えた、それを思えばますます死ねなくなったし、生そのものをどこまでも追い詰めてやろうという気になるのだった、あぶれものは空を睨み薄ら笑い、こいつは今夜俺の机に並べられるだろう、と考えた、そして揺れながら静かにそこを離れていったのだ。
戻る 編 削 Point(4)