詩の日めくり 二〇一七年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
そうだ。ご夫妻の話はメモからあした詳しく書く。ご夫妻よりも、帰りの電車で出会った青年のことをいま書く。20代前半から半ばだろうか。ぼくがさいしょに付き合ったノブチンのような感じのおデブちゃんで、河原町駅からぼくは乗ってたのだけど、その子は烏丸から乗ってきて、めっちゃかわいいと思ったら、ぼくの横に坐ってきて、溜息をつきながらぼくを見たのだった。ええっ、ぼくのこと、いけるのって思ったけれど、ぼくもわかいときじゃないし、声をかけてもダメだろうと思って声をかけなかったのだけれど、西院駅で彼も降りたのだった。ぼくは真後ろからついていったのだけれど、駅の改札口から出てちょっと歩いたら、行く方向が違ってて、声を
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