詩の日めくり 二〇一七年七月一日─三十一日/田中宏輔
 
落ち着いてきた、ということなのかもしれない。まるでひとと競争でもしているように、作品を書いてきたのだけど、もうほかのだれかと競争しているような気分でもないし、余生は読んできたもののなかで、傑作と思った詩や詩集や小説を読んでいられれば、しあわせかなと、ふと思った。

詩をつくることは、なにかいやしいことでもしているかのように思える。


二〇一七年七月二十七日 「読書」


 いま日知庵から帰った。おなか、いっぱい。なんか読むものさがして読もうっと。もう読みたいと思わせるものが未読のものでなくなってしまった。読んだもののなかから適当なものを選ぼう。と、こういうような齢になっちゃったん
[次のページ]
戻る   Point(11)