詩/パワフルぽっぽ
 
は、ただのスイーツだった。


3.
さよなら、と告げたらとてもスッキリした。悲しいはずだったのに、涙も出なくてなんだか笑ってしまった。あなたがわたしを好きじゃなくなってしまったのは何となく感じていたけど、あなたは何だかとてもズルくて結局別れの言葉すら言ってくれなかった。付き合いたての頃はすぐに連絡をくれたのに、何日も返事に時間がかかるようになって、取ってしまったくるりのライブのチケットの待ち合わせのためにようやく連絡をする始末だった。横浜の山下公園で強めに吹いていた潮風、中目黒のちいさなカフェで食べたプリンの苦いキャラメル、奥渋谷にあるサブカル本屋のキラキラした紙、そういうものたちが時間
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