詩/パワフルぽっぽ
 
やわらかく弾力のある白いものがこぼれ落ちてきた。学校ではそのなかにこころの本体があると習ったので、スプーンでなるべく壊さないように中心まで割ってみたけれど、どこまでいっても何も見当たらなかった。そこは、意味や感情を完全に排除したような白さで、ひたすらに個人的な雪原が広がっているだけであった。その体液は、ほのかに甘い匂いがした。おおくの出来事がわたしたちを通り過ぎて、その環境にわたしたちはひどく混乱してしまったので、もう一度こころを整理しようと思ったのだけれどその必要はなかったようだ。よかった、わたしたちはもう何も思い悩まなくていいし、スピリチュアルなものは真っ赤な嘘だったのだ。わたしたちの正体は、
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