詩の日めくり 二〇一七年六月一日─三十一日/田中宏輔
と「ソフト・モンキー」。「ソフト・モンキー」はまったくSFとは無縁の作品。それはもう幻想文学でもない、普通の小説だった。アイデアとしては、未来人との絡みで、ジャック・ザ・リッパーを扱った「世界の縁にたつ都市をさまよう者」が印象的だったかな。あと、「プリティ・マギー・マネーアイズ」も印象に残ったかな。タイトル作の「死の鳥」はまったく意味がわからなかった。「「悔い改めよ、ハーレクイン!」とチクタクマンはいった」と「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」は、以前に読んだ記憶がある。どちらも古いSFを読み直しているような気がしたが、前者がオーウェルの『1984年』や、ザミャーチンの『われら』に通じるものだ
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