詩の日めくり 二〇一七年六月一日─三十一日/田中宏輔
のだったという記憶がなかったので、そこは意外だった。後者の記憶はほとんどなかったのだが、なんだか、エリック・F・ラッセルか、クリフォード・シマックの短篇を読んだかのような読後感を持ってしまった。まあ、いずれにしても、50年代のSFって感じだった。でも、いま解説を読むと、前者は1965年に、後者は1967年に発表されたものだった。ぼくの1950年代のSF感が間違っているのかもしれない。河出文庫から出ている年代別の短篇SFアンソロジーで調べてみよう。『20世紀SF? 1950年代 初めの終わり』と『20世紀SF? 1960年代 砂の檻』の目次を見比べた。そうだな。やはり、エリスンのは50年代のほうに近
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