詩の日めくり 二〇一七年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
ら1行目 「 が余分についている。35ページ下段、1、2行目「あなたは学問の世界ののわたした名声と地位を叩きこわそうとされた」 これは「世界でのわたしの名声と地位を」だろう。


二〇一七年五月二十五日 「継母」


 朝からいままで二度寝をしていた。継母が亡くなった夢を見た。とっくに亡くなっているのだけれど、よくできたひとで、とても気のいい継母だった。美術にも造詣が深くて、壁紙は黒で陶器製の白い天使の像を砕いて、翼だとか腕だとか足を影から突き出させるように壁に埋め込んだりしていたおしゃれなひとだった。ぼくの美観を父と共に培ってくれたのだった。その継母が亡くなる夢をみたのだった。とても
[次のページ]
戻る   Point(11)