詩の日めくり 二〇一七年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
ても悲しかった。ぼくに遺言があったみたいだけど、それが書かれた紙を読もうとしたら目が覚めた。じっさいに遺言はなくて、継母は癌で急死したのだった。手術後四日目に。手術しない方がぜったい長く生きていたと思う。まあ、気のいい、うつくしい継母だった。

 きょうは休みなので、ロバート・シルヴァーバーグの『10万光年の迷路』を読もう。この久保書店のQ‐TブックスSFシリーズ、ぼくはあと1冊持っていて、A・E・ヴァン・ヴォークトの『ロボット宇宙船』だけど、このシリーズに入ってるSF作品のタイトルを見ると、びっくり仰天するよ。たとえば、こんなの、O・A・クラインの『火星の無法者』、デイヴィド・V・リードの『
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