詩の日めくり 二〇一七年五月一日─三十一日/田中宏輔
 
ない平凡な青年と、これまた平凡な女性との、ちょっとした恋愛話だった。平凡さを強調する表現があざとかったけれど、さすがサリンジャー、さいごまで読ませて、笑かせてくれた。学校の授業の空き時間と通勤時間には、ホイットリー・ストリーバーの『ウルフェン』(山田順子訳)を読んでいたのだが、これが初の長編作品かと思われるくらい、おもしろくって、描写に無駄がなくて、会話もウィットに富んでいるし、きょうだけで、153ページまで読んだ。半分近くである。


二〇一七年五月十一日 「闇」


このぼくの胸のなかに灯る闇を見よ。
ぼくの思いは、輝く闇できらめいているのだ。
彼のことを、ぼくの夜で、すっぽり
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