詩の日めくり 二〇一七年四月一日─三十一日/田中宏輔
言うんですよ。」ぼくはうなずきながら、ああ、花冷えねと返事をした。花冷えか。考えると、不思議な言葉だ。花が気温を低くするわけでもないのにね。そういえば、きょう、桜の花が満開だったけれど、明日は雨だそうだから、きっと、たくさんの桜の花びらが散るだろうね。むかし、と言っても15年ほどむかしのことだけど、高瀬川で桜の花びらが、つぎつぎと流れてくるのを目にして、ああ、きれいだなって思ったことがあるんだけど、そのことをミクシィの日記に書いたら、ある方が、「それを花筏と言うんですよ。」と書いて教えてくださった。その経緯については、2014年に思潮社オンデマンドから出したぼくの詩集『ゲイ・ポエムズ』に収録したさ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(14)