詩の日めくり 二〇一七年四月一日─三十一日/田中宏輔
 
あつて
人間の存在にはふれていない


西脇順三郎 「菜園の妖術」

存在という観念をはなれて
永遠という存在が
いる


西脇順三郎 「菜園の妖術」

永遠を求める必要はない
すでに永遠の中にいるのだ


三好達治 「わが手をとりし友ありき」

ものの音は一つ一つに沈黙す


 いま三好達治の本を読んでるんだけど、三好達治の詩集って、5000部とか10000部とか売れていたって書いてあってびっくりした。ぼくの詩集なんて、20数冊出してるけれど、合わせても、せいぜい100部とか200部しか売れていないような気がする。出版社も教えてくれないしわからないけど
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