詩の日めくり 二〇一七年四月一日─三十一日/田中宏輔
合いたいと思っている。そのときには、ちゃんとメモっておこう。それにしても、うかつだな、ぼくは。せめて、きょう出合った、すてきな詩句でもメモっておこう。
岡村二一 「愚(ぐ)経(きょう)」
花が美しくて
泥が汚いのは
泥のなかに生き
花のなかに死ぬからだ
岡村二一 「愚(ぐ)経(きょう)」
酒に酔(よ)うものは酒に溺(おぼ)れ
花に酔(よ)うものは花に亡(ほろ)びる
酒にも花にも酔わないものは
生きていても
しょんがいな しょんがいな
吉岡 実 「雷雨の姿を見よ」5
「一度書かれた言葉は消す
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