わたしの宿題/
石田とわ
のもとには残らなかった
残されたのはあまりにも無残で
過酷な現実だけだった
それでも彼女は泣きながらも
必死に生きた、生きようとした
その彼女も今はもういない
それからの数年を病院で過ごし
息を引き取った
何十年たった今でも
たびたび彼女を思い出す
交わした手紙は今も手元にあり
その文字は大きすぎて、曲がりくねって
十六の彼女の文字ではなくて
不自由になった手で必死に書いた姿が
あまりにも悲しくて
なにより行間に
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