とはいえ瞬く間に喉は渇きを覚えるだろう/ホロウ・シカエルボク
をきくことが出来たなら、いったいどのような言葉を口にするのだろう?俺は足を止めることなく通り過ぎた、あの窓には確かに尋常ならざる視線がある、窓の向こうにはきっと、断ち切られた幸せが転がっているだろう、信号を渡り、コンビニの前を通り過ぎ、火災現場へと急ぐ消防車と擦れ違う、誰かが死んだだろうか、消防車の赤色はなぜかそんな疑問符を脳裏に漂わせる、真直ぐに続いた古い路の彼方には、絶対に追いつくことが出来ない水溜りが見える、どこかで赤ん坊が泣いている、あやすものの声はない、ほんの少し家を空けているのだろうか、それとも洗濯かなにか、すぐに駆け付けられない用事に手を付けているのだろうか?この世でもっとも手軽な孤
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