詩の日めくり 二〇一七年二月一日─三十一日/田中宏輔
 
ら、岩波文庫はパウンドの『詩章』を出す義務があると思う。


二〇一七年二月二十二日 「ウェルギリウスの死」


(…)おそらく窮極の現実を現わすには、そもそもいかなることばも存在しないのだろう……わたしは詩を作った、軽率なことばを……わたしはそのことばが現実だと思っていたのだが、じつはそれは美だった……詩は薄明から生じる……われわれが営み作りだす一切は薄明から生まれる……だが現実の告知の声は、さらに深い盲目を必要とする、あたかも冷ややかな影の国の声ででもあるかのように……さらに深く、さらに高く、そう、さらに暗く、しかもさらに明るいのが真実なのだ」(ブロッホ『ウェルギリウスの死』第?部
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