詩の日めくり 二〇一六年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
ごめいていたとしても、とても見えやしないのです。」

「この点について、もっとくわしく知りたい人は、あの本を開いてみることです。題名は忘れましたが、第四十二章に書かれています。」

「もう何度も注意したでしょうが。ペンはいつも綺麗に髪で磨いておきなさい。」

「教師はつねに正しい。たとえまちがっているときも。」

「どうも席替えの必要があるようだ。前列の人は、先生が後列組をよく見張れるように席につきなさい。」

「そう、三列目が六列目になる、そして十列目まで、全員二列ずつ前に移りなさい!」

「きみたちは先生の話となると、右の耳から出ていって、左の耳から入るよう
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