詩の日めくり 二〇一六年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 


日常では
言い間違いというのがあるけれど
それってフロイト的な感じがあって
偶然から少し離れたところにあるものだけれど

このあいだ書いた
喫茶店なんかで
偶然耳にした
近くの席で交わされてる話し声のなかから単語をピックアップして
自分の会話に
自分の考えに取り入れるっていうほうが
近いかもしれない。

偶然

詩集にも引用したけれど
芥川が書いてたね

「偶然こそ神である」

って

ニーチェやヴァレリーも

「偶然がすべてである」

ってなこと書いてたような記憶があるけれど
偶然にも程度があ
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