詩の日めくり 二〇一六年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
ても孤独である。
むしろ、考えれば考えるほど
考えることに習熟すればするほど、孤独になるのである。
考えるとは、ひとりになること。
他人の足で、自分が歩くわけにはいくまい。
他人の足で、自らが歩いていると称する輩は多いけれども、笑。


二〇一六年十三月二十五日 「この人間という場所」


胸の奥でとうに死んだ虫たちの啼くこの人間という場所
傘をさしてもいつも濡れてしまうこの人間という場所
われとわれが争い勝ちも負けもみんな負けになってしまうこの人間という場所

高校生のときに、
高校は自転車で通っていたんだけど
雨の日にバスに乗ってたら、

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