詩の日めくり 二〇一六年十三月一日─三十一日/田中宏輔
 
と不思議なものであろうか
かつては、喜びの時であり、場所であり、出来事であった
いまは、悲しみの時であり、場所であり、出来事であった。
その逆のこともあろう。
さまざまな時であり、場所であり、出来事である
この、こころという不思議なもの。


二〇一六年十三月二十日 「ぼくはこころもとなかった」


ぼくはこころともなかった


二〇一六年十三月二十一日 「言葉」


ひとつの文章は
まるで一個の地球だ

言葉は
ひとつひとつ
読み手のこころを己れにひきよせる引力をもっている
しかし、それらがただひとつの重力となって
読み手のこ
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