蜃気楼に傷口/ホロウ・シカエルボク
かだか百年の人生の為に生を受ける生きものになど、何度転生したところで理解出来るものではないだろう、、ああ、俺はずっと、死のないものになりたいと考えている、そうすればずっと、自分のフレーズがどこへ向かっているのか知り続けていくことが出来るのに、幾つか目にした棺桶たちが火の中から語り掛けてきたもの、その真っ白な骨が灰の中で語り掛けてきたもの、それは耳鳴りのような音になって今も鳴り続けている、アデュー、意味を失った者たちよ、後は俺に任せて何も考える必要のない世界に行けばいい、それが天国だろうが地獄だろうが俺にとっては最も怖ろしい場所だということになんら違いはない、窓に張り付いて外を眺める、このところずっ
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