詩の日めくり 二〇一六年十二月一日─三十一日/田中宏輔
自分の重さに逆らって飛ぶのね。
ぼくは、いつもいつも、自分の重さに逆らって飛んできたような気がするの。
木が、機が、記が、気が、するの。
それで、こうして
一回性という意味を、わたしはあなたに何度も語っているのではないのだろうか?
いいね。
詩人は余白を採集している。
めくれあがったコンクリートの支柱が静止する。
わたしは雲の上から降りてくる。
カラスが土の上にこぼれた光をついばんでいる
道徳は、わたしたちを経験する。
わたしの心臓は夜を温める。
夜は生々しい道徳となってわたしたちを経験する。
その少年の名前はふたり
たぶん螺旋を描きなが
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