未定/空丸
ロボットとも友達になれるよ
二月半ばはまだ冬の真ん中で
気温も一〇度以下の午後五時過ぎ
ふと 明るい
陽が伸びた 去年の暮の五時はもう夜だった
東京の話だ
ゆっくりゆっくり それを日に日にというのだろう
陽は伸び濃くなっていく
ぼくは日に日に痩せていく
考えるというより感じる日が多くなっていく
強い感情ではない
激怒も嫉妬も爆笑もない
小さな波動 微笑みよりも 諦めよりも 小さい
小さく 細い 鼓動
深い とても深い 誰もいない
気付いた時
まだ子宮の中だった
何に気付いたのだろうか 未だにわからない
海馬にまだ張り付いているだろうか
もうここ
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